1999年に施行された男女共同参画社会基本法は、性別による偏りのない社会システムの構築を「21世紀の最重要課題」として位置づけたものです。これを受け、名古屋大学は2002年にはいち早く「名古屋大学における男女共同参画を推進するための提言」を評議会で決定し、「名古屋大学運営の基本姿勢」においても男女共同参画を重要な事業と位置付けてきました。
2003年には「男女共同参画室」を創設し、部局長による専門委員会のイニシアティブのもと「男女共同参画推進専門委員会」を設置し、組織的な充実をはかってきました。さらに、2017年7月より、男女共同参画室を「男女共同参画センター」に改組し、ジェンダー研究や教育にもより一層力を入れ、国内外でのジェンダー平等推進拠点を目指すことになりました。そして2022年4月、ジェンダー平等をさらに進めるため、活動範囲を拡大し、ジェンダーダイバーシティセンターとして再スタートしました。
公募要項に教員選考においてポジティブ・アクションを採用していることが理解される趣旨の文言を入れ、全学的に女性教員の積極的採用を進める方針を打ち出しています。
ポジティブ・アクションについて大学における多様性を推進するための教員採用マニュアル
大学における多様性を推進するための教員採用マニュアル
今、私たちは社会全体が大きな転換期にあることを実感しています。科学技術の進展やグローバル化が急速に進む中で、ジェンダー平等と多様性の尊重は、単なる社会課題ではなく、新たな価値創造の鍵として注目されています。名古屋大学ジェンダーダイバーシティセンターは、この未来に向けた挑戦の一翼を担うべく、活動を展開してまいります。
名古屋大学は、2003年の「男女共同参画室」の設立以来、学内保育所や学童保育施設の充実、女性研究者の育成支援プログラムの導入など、先進的な取り組みを続けてきました。2022年には「ジェンダーダイバーシティセンター」へと改組され、多様性や包括的な視点を取り入れた新たな活動を進めています。このような取り組みは、国内外で高く評価され、ジェンダー平等推進の先駆的モデルとして注目されています。
名古屋大学は、男女共同参画あるいはジェンダーダイバーシティに対して、多様な専門分野(人文学、理工学、医学、社会科学)を擁しており、これらが綿密に連携することでジェンダー学の未来を探索するとともに、数々の具体的な施策に挑戦し、その成果を社会に発信してきました。単なる啓発活動にとどまらず、科学的データに基づいた政策提言や革新的な教育プログラムの展開を目指しています。
私たちが目指すのは、性別や背景に関係なく、誰もが自由に学び、研究し、社会に貢献できる場の創出です。そのためには、従来の枠組みや固定観念を超え、真に多様性を活かす新しい文化を築くことが必要です。本センターは、これまでの実績を基盤に、未来を見据えた先進的な取り組みを通じて、持続可能で包摂的な社会の実現に向けた道筋を示していきたいと考えています。 名古屋大学ジェンダーダイバーシティセンターは、これまでの実績をさらに発展させ、地域社会や国際社会と連携しながら、新たな価値の創造に貢献してまいります。皆さまのご理解とご協力を賜りながら、未来に向けた新たな一歩を共に歩んでいけることを心から楽しみにしております。
2025年3月
ジェンダーダイバーシティセンター センター長
山﨑 真理子
・名古屋大学 ジェンダーダイバーシティセンター 教授
・(兼任)未来社会創造機構 FUTURE Society Studio 教授
・名古屋大学 ジェンダーダイバーシティセンター 准教授
・名古屋大学 ジェンダーダイバーシティセンター 特任助教
多様性が尊重される大学組織の形成に向け、全教職員を対象に無意識のバイアス研修プログラムを実施しています。
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