目的

本事業では、様々なキャリアを持つ女性研究者を総合的に支援します。

日本の科学者に占める女性比率は、先進諸国と比べて著しく低く、科学技術分野で活躍できる資質をもつ人材のうち、とりわけ女性がその実力を発揮できない場合が多いと言わざるを得ません。このことは科学技術創造立国である日本にとって大きな損失といえます。女性研究者がその資質に見合った活躍ができる環境を整えることは、科学技術分野にさらなる発展の可能性をもたらすことに繋がります。その為にも、大学における女性研究者支援が大変重要な意味を持ちます。

女性研究者が抱える問題は様々であり、問題解決に向けたニーズはキャリアや年代・家庭環境によって異なります。少なからずの若手女性研究者が、研究と出産・育児との両立に不安を感じています。また実際に子供をもつ女性研究者への支援は十分とは言えず、両立のための重点的な支援が求められています。中堅以上の研究者であれば、女性の同僚が極めて少なくなることから、情報交換の機会の欠如や孤独感に対する支援が求められています。さらに、女子中・高校生の場合は、理系に興味があっても理系に進学すること自体に不安を感じている場合が多く、彼らへのエンカレッジに加え、親や中高教諭への啓発により、理系進学を希望する女子中高生への理解を深めてもらうことが重要です。女子大学生や大学院生はロールモデルが身近にいないためにキャリア・ビジョンが描けないという問題があり、身近にロールモデルと接する機会があることが求められています。

本事業は、このように様なさまざまな女性研究者のニーズに柔軟に答え、多様で実質的な支援を実現することを目的としています。