第3章 2002年度活動報告


I 平成14年(2002年)度の位置づけと活動の指針

II 第1回全学シンポジウムの開催

III 2つのサブワーキングの設置と活動

IV セクシュアル・ハラスメント防止対策の整備

V 名古屋大学の男女共同参画推進体制の整備

名古屋大学における男女共同参画推進に関する動き(平成14年度)


 

I 平成14年(2002年)度の位置づけと活動の指針

 

名古屋大学は、過去2年間にわたり本学の男女共同参画のあり方について検討を進めるとともに、基礎的データ及び検討結果をHP上で公開するなど、意欲的な試みを行ってきた。平成12年2000年度末、名古屋大学評議会は、「名古屋大学における男女共同参画を推進するための提言」(男女共同参画に関するW.G作成)を承認し、男女共同参画の推進を本学の最重要課題と位置づけた。翌平成13年(2001)年度は、この提言に関する全部局の取り組み状況についてアンケート及び部局長ヒアリングを実施しまた教職員・学生各層との意見交換を行った。この結果をふまえ、具体的推進策を全学に向けて提案したのが、『名古屋大学における男女共同参画を推進するための提言−男女共同参画に関する具体的推進方策について、− (男女共同参画推進に関するW.G作成)である。これは平成13年2001年)度末に、全部局に配布され、教職員院生各層への周知徹底がはかられた。

 

平成14年2002年度の男女共同参画推進委員会W.Gは、上記提言及び具体的推進方策」に盛り込まれた検討課題及び諸提案につき、今後どのように実施していくのか、実施プラン作り及び達成目標の設定等について検討することとなった。その際活動の指針として次の3項目をあげ、これにしたがって具体的検討及び作業を進めていった。

 

<活動の指針3項目>

 

(1)本学の現状をふまえた課題の重点化を行うこと

 1.女性教官比率の引き上げ

 2.就業・就学と育児・介護等の個人の生活との両立

 3.セクシュアル・ハラスメント等の防止対策の徹底

 

(2)重点課題の解決にどのようなアプローチが有効であるかを検討すること

 1.実効性ある施策の立案と実施のための意見集約及び学内世論の形成をはかる。

 2 大学の現状と課題について、日本社会の現状と課題とに関連付けることで、議論の広がりと視野の拡大をめざす。

 3 共同参画推進について、高等教育・研究機関としての大学の社会貢献策として位置づける。

 

(3)重点課題の達成目標を今後具体的に設定するために必要なデータを収集すること

  1.重点課題に関する全部局アンケート及び部局長ヒアリングの実施

  2.全学向け育児・介護支援アンケート実施

 


 

II 第1回全学シンポジウムの開催

 

平成14年(2002年)9月30日、名古屋大学で初めて男女共同参画推進に関する全学シンポジウムを開催し、上記指針に基づく作業の中間報告を行うと共に全学構成員の参加による公開討論を行った。学内構成員を対象にした非公開のシンポジウムであったにもかかわらず、

313人もの教職員、院生等の幅広い参加を得ることができた。

(同シンポジウム、<日本の現状の課題名大の現状と課題>については本書第4章に全記録を掲載しているので参照されたい) 。


 

III 2つのサブワーキングの設置と活動

 

WGメンバーによるサブワーキングが設置され、重点課題の絞り込み作業と部局アンケート案の作成にあたった。各メンバーはそれぞれ専門分野にもとづいて担当が振り分けられ、9月のシンポジウムでは、報告者およびパネラーを務めた。

 

育児・介護支援アンケートの作成とデータ集計については、「育児支援体制整備検討サブワーキング」が行ったこのサブWGにはWGメンバー以外に専門的知見等を有する3名の有志の教官が参加した。アンケートは全学の教職員院生等を対象として行ったが、回答を通じて多様な意見が学内にあることが明らかになった。またこれまで共同参画における位置づけが必ずしも明確でなかった留学生についても、有意義なデータを得ることができた。

(育児・介護支援アンケートについては本書第5章に調査報告を掲載しているので参照されたい) 。

 


 

IV セクシュアル・ハラスメント防止対策の整備

 

平成14年(2002年)4月、外部の専門家を招聘した常設のセクシュアル・ハラスメント相談所が設置され、教職員学生等の全構成員を対象に相談業務が開始されることとなった。8月にはセクシュアル・ハラスメント苦情処理手続きを制定し、これにより、前年度から継続していたセクシュアル・ハラスメント防止対策制度の改正作業が終了することとなった。本学の教官、弁護士、フェミニスト・カウンセラー、臨床心理士等が必要に応じて連携協力する体制の下で、相談、苦情処理、研修等を行うことが可能となった。

 


 

V 名古屋大学の男女共同参画推進体制の整備

 

1.総長補佐・男女共同参画担当の独立

 

名古屋大学総長補佐体制において、これまで人権・男女共同参画担当者1名であったのを、平成14年(2002年)10月、男女共同参画担当を独立させ、新たに1名の女性教官が指名された。同補佐はWGのオブザーバー委員として、男女共同参画室の立案、名古屋大学における男女共同参画の中期計画・中期目標の設定の立案作業を行うこととなった。

(本書第1章に男女共同参画推進のための施策体系図を掲載しているので参照されたい) 。

 

2.名古屋大学男女共同参画室の設置

 

平成15年(2003年)1月男女共同参画室を設置し、本学の男女共同参画社会推進のための企画・立案・実施に関する任務を行うこととなった。総長補佐、男女(共同参画担当)が同室長を兼任し、室員として男女各1名の教官(兼担)が就任した。本書第2章に男女共同参画室の設置の目的・趣旨・要項について掲載している。

 

3.名古屋大学男女共同参画推進専門委員会の設置(平成15年4月1日施行)

 

平成14年(2002年)度をもって、名古屋大学における男女共同参画のあり方について、様々な検討作業を行ってきた「男女共同参画推進に関するWG」はその役割を終えることになった。名古屋大学男女共同参画推進委員会の下に新たに設置される専門委員会は、学内の専門的知見の集約および幅広い意見交換等を通じて、男女共同参画に係る事項についての審議を行うとともに、本学の男女共同参画推進体制を統括する。

 

この2つの委員会と並んで、上記の男女共同参画担当総長補佐、名古屋大学男女共同参画室の設置により、名古屋大学の男女共同参画推進体制は全国の国立大学の中で最も整備されるものとなった。

 


 

名古屋大学における男女共同参画推進に関する動き(平成14年度)

実施日

事項

14. 4.30

 男女共同参画推進に関するワーキンググループ(第9回会合)

・平成14年度の取り組みについて検討(サブワーキング立ち上げ)

14. 5. 9

 第1回サブワーキング

シンポジウム、部局長アンケート、部局長ヒアリング内容の素案策定

14. 5.23

男女共同参画推進に関するワーキンググループ(第10回会合)

・シンポジウムについて検討

・14年度調査方針について検討

・育児支援体制整備検討サブワーキング設置について検討

14. 6. 4

第2回サブワーキング

シンポジウム、部局長アンケート、部局長ヒアリングの内容の具体的検討

14. 6.10

第3回サブワーキング

シンポジウム、部局長アンケート、部局長ヒアリングの内容の具体的検討

14. 6.10

第3回サブワーキング

シンポジウム、部局長アンケート、部局長ヒアリングの内容の具体的検討

14. 6.17

男女共同参画推進に関するワーキンググループ(第11回会合)

・部局長アンケート案の検討

・部局長ヒアリング日程決定

14. 6.24

 第1回育児支援体制整備検討サブワーキング

育児支援・介護支援アンケートについて検討

14. 6.28

 第4回サブワーキング

シンポジウム、部局長アンケート、部局長ヒアリングの内容の具体的検討

14. 8. 9

男女共同参画推進に関するワーキンググループ(第12回会合)

・ヒアリング実施に関する詳細決定

・シンポジウム骨子決定

・育児支援・介護支援アンケートの検討(内容、配布対象、回収方法)

14.8.12〜8.16

 男女共同参画推進に関する部局長ヒアリング実施(計39部局)

14.9. 3

男女共同参画推進ワーキンググループ(第13回会合)

・シンポジウム詳細決定(アンケート・ヒアリング結果の報告内容、シンポジウムの提言内容の検討)

・育児支援・介護支援アンケート内容決定

14.9.16

育児支援・介護支援アンケート配布(回収締め切り9/30)

14.9.24

育児支援・介護支援アンケート(留学生向け)配布(回収締め切り10/10)

14.9.30

 第1回名古屋大学男女共同参画シンポジウム

13:00〜17:00 名古屋大学シンポジオンホール

参加者313名

14.10. 9

内閣府男女共同参画局推進課による訪問調査

14.10.16

男女共同参画担当総長補佐として、金井篤子教育発達科学研究科助教授就任

14.10.18

 男女共同参画推進ワーキンググループ(第14回会合)

・名古屋大学中期目標、中期計画の検討

14.11.14

 男女共同参画推進ワーキンググループ(第15回会合)

・男女共同参画推進に関する中期目標・中期計画の検討

14.11.28

男女共同参画推進ワーキンググループ(第16回会合)

・男女共同参画推進に関する中期目標・中期計画の検討

・男女共同参画室の設置についての検討

・男女共同参画社会推進研究教育センターの設置についての検討

14.12. 5

 組織改革検討委員会において、男女共同参画室の設置について検討

14.12.12

 男女共同参画担当総長補佐名古屋市男女平等参画推進室への聞取り調査

14.12.13

 男女共同参画担当総長補佐愛知県男女共同参画室への聞取り調査

14.12.16 男女共同参画中期目標部局アンケート実施
14.12.27

 男女共同参画推進ワーキンググループ(第17回会合)

・男女共同参画推進に関する中期目標・中期計画の検討

・平成14年度報告書について検討

15. 1.17

 男女共同参画推進ワーキンググループ(第18回会合)

・平成14年度報告書について検討

15. 1.21

 評議会において、男女共同参画室設置の承認

男女共同参画室設置

15. 1.31

 男女共同参画推進ワーキンググループ(第19回会合)

・男女共同参画推進に関する中期目標・中期計画の第1事案決定

・平成15年度方針について検討

15. 1.31

 国立大学協会からのアンケート(男女共同参画推進の実施状況追跡調査)依頼に基づき資料提供

15. 2.13

 男女共同参画推進ワーキンググループ(第20回会合)

・平成15年度方針について検討

・男女共同参画推進専門委員会について検討

15. 3.18

 部局長会(男女共同参画推進委員会、評議会において「2003年度男女共同参画推進計画」を決定)

 

男女共同参画に関するヒアリング日程表(PDF)