2.男女共同参画社会に寄与する教育及び研究における男女共同参画の推進

(1)ジェンダーや女性をテーマとする授業は、平成11年度及び12年度の2年間に9部局で合わせて30科目以上が開講されている。その後も各学部で継続して開講され、あるいは開講が予定されている。全学共通教育では、総合科目として開講された実績があるが、入学後早い段階で男女共同参画の理念や実際を学ぶことは、異なる専門領域の共通基盤として重要である。

(2)本ワーキンググループにおいては、各部局からのヒアリング結果を踏まえ、女性学、ジェンダー学の全学カリキュラムとしての実施可能性について本学高等教育研究センターに検討を依頼した。同センターにおいては、女性学関連の学問的状況を国際的視野で分析するなかで、女性学に関する国内及び海外の大学のカリキュラムの調査、学内各部局へのアンケートにより、名古屋大学では女性学に関してどのような授業科目が最適か、それを共通教育のなかにどのように取り組むことができるかについて検討し、本ワーキンググループに女性学についての答申が行われた。この答申を踏まえて次の方策を提案する。

@ 学生・院生への周知及び意識啓発
-a)学部新入生を対象とする全学教育オリエンテーションの一環として、男女共同参画に関する本学の取り組みを紹介し、意識啓発を行う。
-b)各部局での大学院への入学・進学ガイダンスにおいても同様の説明を行う。

A 全学カリキュラムでの関連科目の開講
-a)基本主題科目の中に関連した副主題を設定する。
-b)総合科目として開講する。
-c)専門科目として開講されている関連授業は、可能な限り開放科目として広く全学に提供していく。

B 男女共同参画に寄与する研究活動の奨励
-a)研究プロジェクト予算枠を設け、全学から募集する。
-b)ジェンダーの視点を取り入れる努力をし、研究者の構成にも配慮する。

C 男女共同参画に関連する授業、研究分野としては、男女それぞれにおける育児・介護その他の家庭生活と職場、学校、地域活動との両立という基本理念を踏まえ、人権や福祉、健康などの問題を含むものと考えられる。
  現在この分野を担当できる教員の人数は十分とは言えない。男女共同参画に寄与する教育、研究を行い得る部局で積極的に女性教員を登用すること、研究成果を発信していくことが期待される。

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