子育て

大変だけど、笑っちゃう

工学研究科 田川 美穂

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3.一人で二人の乳幼児をみるということ

今まで独り占めできたママを独り占めできない。二歳の娘にとって、突如現れた弟の出現は大変なショックとストレスのようだった。息子に授乳すれば割り込んできて叩く、引っ掻く、髪の毛を引っ張る、耳元で大声で泣きじゃくる。生まれて間もなく息子は弱肉強食のジャングルに生まれ落ちたライオンの子のような過酷な環境に置かれることとなった。夜中も一人泣けばもう一人も起きて泣く。母の私は殆ど眠れず、こちらが泣きたい程だった。いや、一緒にワンワン泣いたこともある。

ある晩、目を離した隙、娘が布団の上で走って転び、2か月の息子の頭の上に倒れこんだ。「ゴン!」という硬い音。頭蓋骨同士がぶつかる音だった。慌てて冷やすとともに夜間救急に電話し、小児科医の指示に従った。吐かなければ受診は明朝で良いと言われたが、夜中から朝にかけて何度か吐いたので、不安になった。幸い脳への影響はなかったが、このことをきっかけに、一人で看ることに限界を感じた。

 

 

4.ベビーシッターさん探し

朝晩手伝ってくれるベビーシッターを探そうと、男女共同参画室HPで紹介されている大学のベビーシッター割引券(こども未来財団発行)が使用できる業者リストで問い合わせをした。しかし、朝・晩は登録者が最も少ない時間帯だそうで、結局どの業者でも日常的にやってくれるという人が見つからなかった。子供二人だと3500円~/時間+交通費、最低二時間から、と料金的にも券による支援があっても日常的に依頼するには無理があり、いずれにせよ別の方法を探らなければならなかった。なお、名古屋市の「のびのびサポート事業」は800~1000円/時間+交通費とリーズナブルだが、こちらは提供会員(ベビーシッター)の数が依頼会員に対して圧倒的に少ないという問題があり、着任時から登録しているが、なかなか見つかなかった。

結局、学生掲示板にアルバイト広告を出し、こちらの希望する時間帯でやってくれるという留学生の配偶者の方に頼むことにした。彼女にはとても助けられたが、これで問題が全て解決される訳ではなかった。弟ができて赤ちゃん返りした娘は、他人が家に来るとよりママにべったりになった。抱っこをせがまれ、私は身動きが取れない。しばらく経てば慣れてくるかと思ったが、状況が全く変わらないので、結局お断りしなければならなかった。

子どもをお願いすることが負担軽減にはならなかったため、いろいろと試行錯誤した挙句、家事時短を徹底的に追及することが最善策と判断した。一年も使用していない全自動洗濯機を洗濯乾燥機へ買い換え、料理も週末に作り置き。平日は温めるだけ。油ものは紙皿で食べる等々。
しかしそれでも、子育てというのは便利家電やベビーシッターの助けでは解決できない部分の方が多い。