1 セミナー講演記録
2 セミナーアンケート結果
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2 「女子学生エンカレッジセミナー」のアンケート結果
女子学生支援WG

 平成16年12月7日、名古屋大学文系総合館カンファレンスホールにおいて、名古屋大学男女共同参画推進専門委員会、男女共同参画室は、日本女性科学者の会東海支部との共催で、「女子学生エンカレッジセミナー」を開催した。63名の参加者を得て、一時は、会場の椅子が足りなくなるほどの盛況ぶりであった。参加者63名の内訳は、学生45名、教員13名(うち2名は他大学の教員)、女性科学者の会会員5名であった。
 以下は、アンケート調査にご協力いただいた28名の方の回答結果の概要である。

1)アンケートの配布・回収方法
 入場時に、他の配布資料とともに配布した。セミナー終了時に、司会者がアンケート調査への協力を呼びかけ、帰りがけに、回収箱に入れてもらった。

2)配布数と回収数(回収率)
 セミナーに参加した63名に配布し、そのうち学生28名(44.4%)の回答が得られた。

3)調査対象者の属性および所属
1.性別;性別は、女性26名(93%、男性1名(4%)、無回答1名(4%)であった。「女子学生エンカレッジセミナー」というセミナー名に明らかなように、基本的には女子学生を対象に企画されたセミナーであったため、男性の参加率は低かった。

2.年代;年代は、10代から40代以上とすべての年代に渡っていたが、20代の人数が22名(77%)と群を抜いて多く、次いで10代、30代がともに2名(7%)であった。

3.所属;もっとも多かったのは、理系前期課程14名(49%)で、全体の半数近くを占めていた。課程別にみると、多い順に、前期課程15名(53%、学部9名(33%、後期課程2名(7%)であった。理系・文系別にみると、24名(86%)文系2名(11%)であった。

図1 参加者の所属

4)セミナー情報取得の方法
 セミナーが開催されることをどのような方法で知ったかについて、(1)教員が教えてくれた、(2)友人が教えてくれた、(3)構内掲示のポスターを見た、(4)その他のうちから選択して回答してもらった。その結果、教員を通して情報を得た参加者が21名(75%)ともっとも多く、次いでポスターを見て知った学生が5名(18%)であった。教員が積極的に参加を呼びかけることの効果が大きいことがわかった。

5)セミナー参加の動機
 セミナーに参加してみようと思った動機について、7つの選択肢のうちから1つ、または複数選択してもらった。図2は、動機を選択した人数が多い順に並べたものである。上位3つをあげると、「将来の職業について迷っているので」21名、「将来、研究者を目指しているので」20名、「教員に参加するように薦められたので」13名であった。本セミナーに参加した学生の多くは、将来、研究者になろうかどうか迷っており、できれば先輩の女性研究者の話を参考にしたいという積極的な動機で参加したといえよう。

図2 セミナー参加の動機

6)参加した感想
 「セミナーに参加して、学生生活や将来設計する上で、勇気づけられましたか?」という質問に対する回答は、多い順に、(1)非常に勇気づけられた(13名、46%、(2)まあ勇気づけられた(12名、43%)、あまり勇気づけられなかった(1名、3.6%)、(4)全く勇気づけられなかった(0名、0%)、(5)無回答(2名、7.1%)であった(図3。(1)と(2)を合わせると、89%の参加者が勇気づけられたと回答しており、先輩研究者の講演を聞いたことで、参加者のほとんどが学生生活や将来設計の上でなんらかの形で勇気づけられたことが明らかにされた。

図3 参加した感想

 この設問では、前述の選択肢に加えて、「どういう点で、勇気づけられたか、あるいは勇気づけられなかったかお聞かせください」という自由記述欄を設けたが、約半数の13名が記入していた。次に代表的な感想をあげる。
周囲の状況がよくなくても、自分の意志を持ち続け、行動に移すことで状況を変えることができると感じれられた点。(20代、女性、理系学部)
自分の今後の人生に迷っていることがあったのですが、臆することなく、夢を追うために、突っ走っていいのだと感じました。研究生活に対するやる気が湧いてきました。(20代、女性、理系前期課程)
自分の好きなことを続けていけば、道が開けるという言葉に励まされました。(20代、女性、文系前期課程)
一生懸命がんばることで、道を切り開くことを、自らの人生を通して伝えてくださったことに励まされました。(20代、女性、理系後期課程)
好きな事をやりぬくことが女性にとってわがままではないということを実感できた。(40代、女性、聴講生)

7)同様の企画への希望
 最後に、「同様なセミナーが企画された場合、また参加しようと思いますか」という質問に対して、(1)ぜひ参加したい(11名、39%、(2)できれば参加したい(13名、46%、(3)あまり参加したくない(0名、0%、(4)参加したくない(0名、0%、(5)無回答(4名、14%)と、ほとんどの参加者が、同様のセミナーが開催された場合、参加を希望していることがわかった。参加したことが、自分にとってプラスになったという認識の表れと解釈できよう。


【まとめ】
 以上、報告したように、セミナーに参加した学生の感想は、おおむね肯定的であった。
 今回のセミナーでは、日本ではいまだ数少ない理系の先輩女性研究者のお話を身近にうかがうことができた。現在よりいっそう女性が研究者として仕事をしていくことが難しかった時代に、初志を貫いてやってこられた先生方のお話の一言一句が、後に続こうとしている学生たちの胸に届いたのではないだろうか。今回のセミナーが、どのような形にしろ、悩み・迷っている学生の助けになったとしたら、主催者としては望外と喜びである。今後は、また“期待に応えて”(?)、同様のセミナーを企画し、学生たちに力になりたいと考えている。
 なお、セミナーの後、別室に移動してお茶を飲みながら、懇親会を行った。くつろいだ雰囲気のなかで、学生が講演者の先生方に直接質問したり、先生方が学生たちを励ましたり、あちこちで盛んな交流が行われていた。こうした懇親会での様子を見ても、本セミナーは好評のうちに幕を閉じた、というのが偽らざる印象であることを申し添えておきたい。
(担当:平山順子)


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