第2章 2010年度男女共同参画推進重点項目および活動報告
第1節 2010年度男女共同参画推進重点項目および活動報告
1.2010 年度男女共同参画推進重点項目および活動報告
1.はじめに
名古屋大学では、「男女共同参画」の推進を本学の重要課題とし、さまざまな活動を展開してきた。2001年3月に評議会で決定された「名古屋大学における男女共同参画を推進するための提言」においては、その前文で、2000年2月に制定した名古屋大学の理念ともいうべき「名古屋大学学術憲章」を引用し、「とりわけ、学問の府としての本学が、今後学術文化の向上や教育研究の高度化に積極的に貢献するためには、これまでの男性中心的な社会通念や価値観にとらわれることなく、男女両性がそれぞれ専有する感性や正義感をお互いに尊重し更に学問研究や教育現場において男女の特性をいかんなく発揮させる環境と条件を早急に整備する必要がある。また、この男女共同参画による教育研究の実践こそが、21世紀における本学の命運を決定するといっても過言ではなく、この使命を果たすためにも、男女が対等に構成員として、自らの意志によってあらゆる活動に参画する機会を確保し、かつ共に責任を担う、男女共同参画の形成に資する施策を実施することが本学の最重要課題と位置付けられる。」と、名古屋大学における男女共同参画推進の意義と精神を謳い上げている。
このような精神に基づき、男女共同参画推進専門委員会および男女共同参画室との協同により、2010年度は、4つの男女共同参画推進重点項目を中心に活動を展開した。以下に、その概要と達成度について報告する。
重点項目1 「名古屋大学方式 女性研究者採用加速・育成プログラム」の実施
2010年度科学技術振興調整費「女性研究者養成システム改革加速」に採択された「名古屋大学方式女性研究者採用加速・育成プログラム」初年度にあたる本年は、学内の諸機関と連携、調整を図りつつ、女性リーダー(PI)登用のための全学運用定員ポストを用いた人事を開始した。PI公募については、国内外から約50名の応募があり、高い関心を集めていることが明らかとなった。また、一昨年度からの継続事業として、若手女性研究者登用促進のための発展型ポジティブ・アクションプロジェクトを実施した。これらの施策により、理農工分野を中心とした理系分野での優秀な女性研究者の応募促進、採用加速のためのプログラムを展開した。さらに主に新規採用者を対象として、高等教育研究センターとの連携による女性研究者支援のためのメンタープログラムを開始した。既在籍女性研究者に向けては、国際学会への参加費と学術雑誌投稿論文の英文校閲費の助成を行った。詳細は第3章に掲載。
重点項目2 多様な勤務形態に対応できる職場環境の整備と利用拡充のための普及啓発
「発展型女性研究者支援名大モデル」の成果をもとに、安心して仕事と育児、介護、家庭との両立ができるよう、多様な勤務形態に対応できる支援制度のさらなる充実をめざした。具体的には、子育て中の教職員を応援するアクションプランの周知徹底と継続的実施を進めるとともに、ワークライフバランス推進の強化に向けて、特別研究期間の積極的活用の提唱、IT を用いた仕事と子育ての両立支援を目的とした在宅勤務支援システムの継続的運用を行った。
子育て支援事業に関しては、東山地区のこすもす保育園と定員増による新保育園の設置を検討している鶴舞地区との連携を密にするとともに、病(後)児保育の充実に向けて、病児保育検討ワーキンググループでの検討を重ねた。また、女性休養室、授乳室の確保と情報の周知徹底を各部局に働きかけるとともに、学外者の利用も多い学内施設内トイレに、おむつ換えシートとベビーチェアを設置した。(配置図を本節3.に掲載)学童保育所については、教職員、学生、院生といった学内構成員だけでなく、元教職員や地域の協力を得ながら、教育プログラムのさらなる充実を図った。詳細は第1章第2節、第4節、第4章に掲載。
重点項目3 理系女子育成・支援の強化
「理系女子学生(学部生・大学院生)のためのエンカレッジセミナー」(平成22年12月)を開催し、女性研究者ロールモデルの提示や女子学生同士の交流を支援した。また、女子中高生を対象とした「女子中高生理系進学推進セミナー」を「若手女性研究者サイエンスフォーラム」と同時開催し、(平成21年11月)ロールモデルの提示に努めた。加えて、理系女子学生コミュニティ「あかりんご隊」によるオープンキャンパスや第2回あいち科学技術教育推進協議会発表会「科学三昧 in あいち2010」での高校生向け進路相談、ホームカミングデーや学内保育所「こすもす保育園」、名古屋市科学館「科学の祭典2010名古屋大会」など学内外での理科実験を支援した。詳細は、第2章第2節、第3節に掲載。
重点項目4 学内外連携による男女共同参画の推進
学内では、女性研究者懇話会、職員組合女性部、男女共同参画室の共催事業として、3回にわたり「秋の学習会」を実施した。学外との連携事業としては、あいち男女共同参画社会推進・産学官連携フォーラム(会員:愛知県、名古屋市、愛知県経営者協会)との共催により、「女子中高生理系進学推進セミナー」と「若手女性研究者サイエンスフォーラム」を同時開催するとともに、「大学教育改革フォーラム in 東海2011」にて、男女共同参画事業に関するポスター発表を行った。詳細は第2章第3節、第4節に掲載。
2.2010(平成22)年度男女共同参画推進専門委員会、 男女共同参画室会議および名古屋大学における男女共同参画の動き
2010(平成22)年度男女共同参画推進専門委員会、 男女共同参画室会議および名古屋大学における男女共同参画の動き(PDF)
3.2010(平成22)年度男女共同参画室の社会連携活動
2010(平成22)年度男女共同参画室の社会連携活動(PDF)
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