第2章 2010年度男女共同参画推進重点項目および活動報告
第3節 理系女子育成・支援に関する取組
1.若手女性研究者サイエンスフォーラム、女子中高生理系進学推進セミナー
2010(平成22)年11月13日(土)午後、本学野依記念物質科学研究館にて、本学主催、あいち男女共同参画社会推進・産学官連携フォーラム(会員:愛知県、名古屋市、愛知県経営者協会、名古屋大学)主催の「若手女性研究者サイエンスフォーラム」及び「女子中高生理系進学推進セミナー」を同時開催した。
具体的な内容は、下記のとおりである。
日 時 |
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平成22年11月13日(土) 13:00〜16:15 |
場 所 |
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名古屋大学野依記念物質科学研究館(物質科学国際研究センター) |
主 催 |
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名古屋大学男女共同参画推進専門委員会、名古屋大学男女共同参画室、
あいち男女共同参画社会推進・産学官連携フォーラム(愛知県、名古屋市、 愛知県経営者協会、名古屋大学) |
<プログラム> |
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13:00〜14:30 開会式/特別講演 |
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司会:吉田朋子男女共同参画室員 (名古屋大学エコトピア科学研究所准教授) |
13:00〜開会挨拶 |
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藤井良一名古屋大学理事 |
13:10〜14:30 特別講演 |
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○大島まり氏(東京大学大学院情報学環/生産技術研究所教授)
「拡がるエンジニアリングと研究の魅力」
○森 郁恵氏(名古屋大学大学院理学研究科教授)
「1ミリの生物の研究から脳のしくみに迫る」
○平林智子氏(名古屋大学大学院工学研究科助教)
「バイオメカニクスと私」 |
14:30〜14:40 ポスターガイダンス |
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説明者:中川弥智子男女共同参画室員 (名古屋大学大学院生命農学研究科准教授) |
14:40〜16:00 ポスターセッション |
16:00〜16:15 授賞式/閉会式 |
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司会:束村博子男女共同参画室長(名古屋大学大学院生命農学研究科准教授)
挨拶:M口道成名古屋大学総長 |
特別講演者の大島まり氏は、自らのバックグラウンドは原子力工学の分野にあり、もともとはエネルギー関係の流体の研究を行っていたが現在は医学系分野で血液の流れに関する研究を展開していることを取り上げ、一貫した学問を通してエンジニアリングは拡がっていること、研究者のメリットは国際的に活躍できる「オンリーワン」であることを強調された。次に、本学特別講演者の森郁恵氏から、1ミリの生き物C.elegansを使って人間の脳のしくみを解き明かす最先端研究についてご講演頂いた。森氏は数々のシミュレーション研究を紹介され、生命科学の分野では数理モデリングや理論科学が不可欠な時代となっており、生命科学の研究者を目指すためには幅広い勉強が必要だと説明された。最後の特別講演では、本学若手教員である平林智子氏から、心臓や脳などのバイオメカニズムに関する研究と力学・電磁気学・数学との接点について分かりやすくご講演頂いた。また平林氏は、高校から大学・大学院へと進路や学問分野を選択する際に、分野の壁は理系の中にも理系と文系の中にも無いこと、理系女子は特別だと思わず気負わず自由に選択することを強調し、女子大学生・中高生に力強いメッセージを届けていた。
ポスターセッションでは、本学女子学生・女性若手教員による学術ポスター発表に加えて、産学官連携フォーラム(愛知県、名古屋市、愛知県経営者協会、名古屋大学で構成)による産学官それぞれの女性支援の取り組みや、本学あかりんご隊による女子中高生理系進学推進活動の紹介があった。ポスターセッション事前には、女子中高生を対象としたガイダンスが行われ、ポスター発表の見方や議論の仕方について分かりやすく解説されたため、多くの中高生もポスターセッションに参加し、活発な質疑応答が行われた。また学術ポスター発表では、理系部局研究科長をはじめ本学教員・学生・中高生による投票審査で「名古屋大学若手女性研究者サイエンスフォーラム総長賞」が決定され、受賞者3名への総長表彰も行われるなど女性研究者育成への本学の関心の高さが表れたものとなった。このように、本企画は、女性研究者支援・女子中高生理系進学推進へ大きな一歩をしるし、今後の発展に向けて意義あるものになったと思われる。
若手女性研究者サイエンスフォーラム及び女子中高生理系進学推進セミナーの記録
開会式・特別講演(PDF)
ポスターガイダンス・受賞式/閉会式(PDF)
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