第2章 2010年度男女共同参画推進重点項目および活動報告
第2節 ワーキンググループの活動
4.女性研究者増員策検討ワーキンググループ
平田富夫(主査)、束村博子、小田洋一、田中英一、山内章
水村和枝、川村友美、岩渕万里、佐々木成江、大河内美奈
中川弥智子、加藤ジェーン、吉田朋子、中井俊樹
平成22年度の本WGの主な活動は科学技術振興調整費「女性研究者養成システム改革加速」への申請準備であった。これは平成19年度に採択された振興調整費「女性研究者支援モデル育成」の調整費支給が平成21年度で終了することに伴い、女性教員増加策の後継プロジェクトとして位置づけられ、実際の作業は21年度後半から22年度前半にかけて行われたものである。
前年度申請への評価コメントを真摯に反省・検討した結果、部局毎に人事を行うという、これまでの名古屋大学の人事システムでは女性教員数を急速に増加させることはできないとの認識に至った。この認識に基づき、本年度の提案では従来の部局内定員による女性教員増加策に加え、新たに全学流用定員(総長管理定員)を使い、理・工・農学系の複数部局による女性教授・准教授(PI, Principal Investigator)の採用という改革案を提案した。これは、現在、教授・准教授の女性比率が極端に低いレベルであるので、教育研究のリーダーとして女性研究者のロールモデルとなる女性教授・准教授を積極的に増やすことを目指したものである。特に、採用当初の研究費配分を手厚くするとともに育児中の支援員配置など全学的な支援体制がとられており、女性研究者支援のための優れた環境を実現するプランとなっている。また、既在籍女性研究者も含め若手研究者向けには、本学高等教育研究センターと連携した実効的なメンタープログラムを導入しキャリア育成を支援する。男女共同参画担当理事、参画室長のご努力により、これらの提案に対して全学的なコンセンサスも得られ、実現性の高い内容を申請に盛り込むことができた。
幸い、本プロジェクトの申請は平成22年度科学技術振興調整費「女性研究者養成システム改革加速」に採用された。現在、理・工・農学系複数部局による合同の教員選考委員会が発足し、女性PIの公募作業が進められた。その結果、海外からも含め約50名の応募者があり、本事業への関心の高さ、およびPI職を希望する女性研究者の多さが明らかとなった。来年度以降も、総長管理定員を用いた同様の公募を行う予定である。
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